

東京での大会は「持続可能なオリンピック」として宣伝されているかもしれませんが、ハイテクな虚飾と派手な技術革新の裏では、みずほ、SMBC、東京海上などの主要なスポンサーが、環境負荷が高く、気候危機に拍車をかける時代遅れの石炭技術を推進し続けています。

業界
資産保有額が日本第2位の銀行
石炭火力への関与
みずほは2016年以降、石炭火力発電所の開発業者に1.4兆円の貸付を行なっており、石炭火力への世界最大の資金提供者となっています。また、石炭火力発電所の開発業者の株式の引受および債券の発行を約569億円相当も行っており、開発業者の資本調達を支援する中心的な役割を果たしています
取締役
坂井 辰史(さかい たつふみ)
純利益
448,893,000,000円(2018年度)
従業員数
30,301人(2018年)
グリーンウォッシュ問題
みずほは、2019年5月に新しい持続可能な金融戦略を華々しい宣伝とともに発表し、環境に優しい企業としてのイメージ戦略に多額の資金を投じています。しかし現実には、みずほは深刻な大気汚染を起こすことが懸念されるベトナム・バンフォン1石炭火力発電事業などの石炭火力発電所に対して資金提供を続けており、将来的にもこのような案件を融資対象から除外することを否定しています。みずほは、数十億ドル規模の石炭支援を続けている銀行です。

業界
三井住友銀行などを傘下におく金融グループ
石炭火力への関与
SMBCは、石炭火力開発業者向けに貸付を行う民間金融機関のうち世界第3位です。同社は最近、ベトナムのギソン2石炭火力発電所に資金を提供しています。同発電所は、超臨界圧石炭技術を利用しており、赤道原則(大規模事業に対して資金を提供する際に環境・社会リスクを管理するために民間セクターが策定した一連のガイドライン)に明らかな違反があるとして、現地グループが異議を申し立てています。
取締役 執行役社長(代表執行役)
太田 純 (おおた じゅん)
純利益
3,812,000,000,000円(2017年度)
従業員数
28,482人(2019年)
グリーンウォッシュ問題
SMBCは2018年、石炭火力発電事業が超々臨界圧(USC)以上の技術を使用しない限り、原則として融資しないという方針を発表しました。しかし、石炭火力発電所はUSCを利用したとしても、世界のいかなる電力源よりも大量の二酸化炭素を排出します。しかも、日本の開発案件の多くはUSCを採用した石炭火力発電所を建設しているため、SMBCは結局「従来通りのやり方(ビジネス・アズ・ユージュアル)」を継続できるのです。

業界
東京海上は、日本で最も古い保険会社であり、電力・エネルギーセクターにおける世界有数の保険会社です。世界39カ国において損害保険を中心にビジネスを展開しています。
石炭火力への関与
東京海上は、日本の電力セクターにおける最大の保険引受会社です。同社は、表舞台に出ることはなくても、リスクマネージャーとして、どの事業を建設・運転開始するかを決定する重要な役割を果たしています。同社による保険なしには、新たな石炭火力発電事業はほぼ実現できないのです。
取締役社長(代表取締役
広瀬 伸一(ひろせ しんいち)
純利益
280,000,000,000円(2018年度)
従業員数
39,191人(2018年)
グリーンウォッシュ問題
東京海上は、「地球を守る取り組み」を主要な戦略テーマのひとつとしていますが、同社による持続可能な地球環境への取り組みには一貫性が欠けています。同社は、マングローブ植林とグリーン電力証書に基づくCO2の固定と削減を通じてカーボン・ニュートラルを達成していますが、その一方で、引受業務を行う工場や発電所によるCO2排出に関する具体的な方針を持っていません。このことは、東京海上が気候に悪影響を与える化石燃料への大規模な投資の継続ができることを意味しています。
取締役社長(代表取締役)

