保険会社と石炭

世界の大手保険会社は石炭セクターから撤退し始めています。日本の保険会社も今すぐ行動を起こすべきです。

現代の産業界の構造の裏側には保険会社の存在があります。保険の引き受けがなければ、インフラ設備を整えたり、工場を運営するといったことはできないでしょう。

保険引き受けなしに、新規の炭鉱や発電事業に必要な資金を獲得し、政府の許可を得ることは難しいです。また、既存の石炭関連施設の大部分も閉鎖するかもしれません。

保険会社らは何十年もの間、科学的な根拠をもとに、気候変動のリスクについて警鐘をならしてきました。近年、気候変動が引き起こす災害による保険会社の損害は急激に増えています。ある大手保険会社の最高経営責任者(CEO)は、地球の平均気温が約4℃上がれば、これ以上保険の引き受けはできないと懸念を表しました。

石炭からの脱却

2017年、世界の大手保険会社が石炭から撤退する動きが始まりました。 2019年5月までに、石炭事業の保険引き受けを中止、または少なくとも制限する方針を採択した保険会社は、アリアンツ、アクサ、スイス・リー、ミュンヘン再保険などの業界最大手を含む大手保険会社14社にのぼります。また、20社以上の大手保険会社が、それまで投資を行なっていた石炭産業に対して、資産を引き上げるダイベストメントを発表しました。

この動きについて、世界的な保険ブローカーであるウイリス・タワーズワトソンは、保険会社らの石炭からのダイベストメントによって、石炭業界が新しい事業に保険をかけることがさらに複雑でその金額が高くなったと述べています。日本及び他のアジア諸国の保険会社もこの動きに加わるべきです。

日本の保険会社はどうなっているのか?

MS&AD、東京海上およびSOMPOは、石炭を含む電力・エネルギーセクターで世界をリードする保険会社です。また、日本の生命保険会社らは石炭業界の主要な投資家でもあります。

近年、日本の保険会社は持続可能性の重要性をうたっていますが、それにもかかわらず、気候変動を悪化させる石炭事業の保険を引き受け続けています。

MS&AD

MS&ADは、世界第5位の損害保険会社です。Science Based Target(SBT)に基づき二酸化炭素排出量の削減を表明しながらも、石炭の保険を引き受け続けています。

東京海上

東京海上は世界第6位の損害保険会社です。日本気候リーダーズ・パートナーシップに参加し、SBTに基づき二酸化炭素排出量を削減することを約束しましたが、石炭の保険を引き受け続けています。

SOMPO

SOMPOは、世界第11位の損害保険会社です。経団連で企業行動・SDGs委員会の委員長を務め、また、SBTに基づき二酸化炭素排出量の削減を約束しています。しかし、同社も石炭の保険を引き受け続けています。

日本生命保険と第一生命保険

日本生命保険と第一生命保険は、石炭事業への資金提供を中止することを決定しました。 しかし両企業とも、石炭関連企業への莫大な投資を続けています。

日本の保険会社は、石炭事業に対する保険の引き受けを中止し、また、石炭関連企業からの投資を引き上げるべきです。そうしなければ、国際的な保険業界のベストプラクティスからますます遅れてしまいます。

私たちの要望

No Coal JapanおよびUnfriend Coalキャンペーンは、日本の保険会社に以下のことを提言します。

  • 石炭事業や石炭関連企業への保険引き受けを中止すること。
  • 石炭産業から投資資金を引き上げること。
  • 地球の平均気温の上昇を最大1.5℃に抑えることを目指し(1.5℃シナリオ)、事業活動を展開すること。