日本国内の石炭火力

世界の多くの国々が、安価で、信頼度が高く、クリーンな再生可能エネルギー技術を推進し、石炭への依存を低減しているにもかかわらず、日本は逆方向に進んでいます。実際、日本はG20の中で、新規の石炭発電所を計画している数少ない国の一つなのです。

過去20年の間に、日本は石炭に大きく依存するようになりました。2011年3月の痛ましい福島第一原子力発電所の事故の後、日本はエネルギーミックスに占める石炭の割合を増やし、新規建設を推進してきました。

石炭火力を支援するために、政府はいくつかの政策に変更を加え、石炭火力発電を重要なベースロード電源の一つとして位置づけました。新規石炭火力発電所の環境影響評価の「迅速化」や、関連ビジネスに対する資金支援の増強なども行ってきました。

日本の石炭火力発電所新設のうねり

政府の後ろ盾を得て、日本では、2012年以降、新たに50件の石炭火力発電所の建設が計画されました。いくつかの計画は中止されたり、他の燃料に転換されたりしましたが、他の事業は、建設中または計画中の段階にあります。

これまでのところ、13基が中止または燃料を変更し(7.0GW)、12基がすでに操業し(1.3GW)、10基が計画段階(6.4GW)、15基が建設中です(8.6GW)。

環境省と外務省の両省が、石炭火力発電所の新設と、それがパリ協定に準拠していないことに懸念を表明しています。実際に、日本のNDC(自国が決定する貢献)では、2030年度までに2013年度比で26%の温室効果ガス排出削減が求めらています。

以下は、地域住民が市民社会と共に建設中止を求めて活動を行っている5つの石炭火力発電所の建設計画です。全てが2020年以降に稼働予定であり、今すぐに止めなければならない!

秋田港火力発電所計画 秋田県秋田市

  • 事業者:関電エネルギーソリューション、丸紅
  • 設備容量:65万kW x2
  • 運転開始予定:2021年、2022年

130万kWの大規模計画。年866万tのCO2を排出する計画は関電エネルギーソリューションと丸紅によるもの。報道では、2019年X月に丸紅がこの計画から撤退を検討していると伝えられれたもの、公式の発表には至っていない。地域住民は大気汚染の影響を受ける恐れがあるが、7割以上の人がこの計画について知らないという驚くべき実態もある。

神戸火力発電所計画 兵庫県神戸市

  • 事業者:神戸製鋼所
  • 設備容量:65万kW x2
  • 運転開始予定:2021年、2022年

神戸製鋼が神戸市内に計画を進める130万kW の大規模石炭火力発電所計画は、住宅街からわずか400mの近さで建設が進められている。CO2排出量は年692万tだ。2歳から80歳代までの幅広い世代の地域住民らによって民事訴訟と行政訴訟が提起されている(リンク)。近隣住民の健康被害が最大の懸念だ。

西条発電所計画 愛媛県西条市

  • 事業者:四国電力
  • 設備容量:50万kW
  • 運転開始予定:2023年

愛媛県にて四国電力が進める設備容量50万kWの計画。2019年5月に建設が開始されてしまった。仮に運転されれば年246万tのCO2を排出すると推計されている。四国電力菅内の電力需要の低下が見込まれ、座礁資産リスク大きいと考えられる上、自然エネルギーを活用できるポテンシャルも十分にあり、事業の必要性は疑がわしい。

西沖の山発電所計画 山口県宇部市

  • 事業者:電源開発(J-Power), 宇部興産
  • 設備容量:60万kW x2
  • 運転開始予定:2026年

電源開発と宇部興産によるこの120万kW計画は、運転開始すると毎年720万tのCO2を排出する。大阪ガスは45%を出資していたが、2019年4月24日に撤退を表明。しかしながら、電源開発は事業計画を変更して、規模を縮小しつつもなお事業を継続しようとしている。計画変更により事業計画は遅れ見込みだ。この発電所計画の妥当性も疑わしい。

横須賀発電所計画 神奈川県横須賀市

  • 事業者:JERA
  • 設備容量:65万kW x2
  • 運転開始予定:2023年

TEPCO (51%が国の資本が入っている)と中部電力がによる出資すされているJERAが、神奈川県に計画する、東京湾に唯一残る石炭火力発電所計画。規模は130万kWに上り、726万tのCO2を年に排出する。その排出量は、世界の排出量全体の0.02%に相当する。40年間の稼働によって早期死亡者数は計3500人に上るとされている。4割近くの火力発電所をJERAは保有し、地域住民は強く反対している。45人の原告が2019年5月27日の行政訴訟を提起した。(リンク

No Coal Japan の要望

日本は再生可能エネルギーを強力に推進する国になることができます。ですが、そのためには以下が必要です。

  • 日本国内に石炭火力発電所を新設しないこと
  • パリ協定の目標を達成するためにOECD諸国に求められる行動と整合するよう、すべての石炭火力発電所を2030年までに段階的に廃止すること